01 サブスクリプションを追加して設定を有効化
始める前に、インストール済みのクライアントと、サービス提供元から案内されたClash対応サブスクリプションリンクを用意してください。サブスクリプションリンクはネットワーク設定をダウンロードするためのURLで、通常はサーバー情報、プロキシグループ、ルールが含まれています。クライアントをインストールしただけでは、これらの情報は自動で取得されません。サブスクリプションをまだお持ちでない場合は、提供元に入手方法と対応形式を確認してください。ここでは既存のサブスクリプションを追加する方法を説明します。YAML設定ファイルを自分で作成する必要はありません。
サブスクリプションの追加画面を開き、URL全体を貼り付ける
クライアントを開き、サイドバーから「サブスクリプション」または「設定」を探します。Clash Verge Revでは通常、サブスクリプション画面のURL入力欄にリンクを貼り付けて「インポート」をクリックします。ほかのクライアントでは、先に追加ボタンを押してから「リモート設定」や「URL」を選ぶ場合があります。設定名を入力する画面が表示されたら、「日常用」など区別しやすい名前を付けましょう。この名前はローカルの設定を見分けるためのもので、サブスクリプションの内容には影響しません。
コピーするときは、サービス提供元が用意したサブスクリプションのコピー機能を使い、チャットの履歴から一部を手作業で切り取るのは避けてください。URLの前後にある空白や改行、クエリパラメーターの欠落が原因で、インポートに失敗することがあります。アカウントのログインページや製品紹介ページはサブスクリプションURLではありません。ブラウザーで開けても、クライアントが設定として解析できるとは限りません。提供元が複数の形式を案内している場合は、現在のクライアントまたはMihomoコアへの対応が明記された形式を選んでください。
インポート後、設定のダウンロードと解析が完了するまで待ちます。成功すると通常、名前や更新日時が表示された設定カードが追加されます。プロキシ画面を開き、設定に定義されたプロキシグループが表示されることを確認してください。その後、設定カードの有効化・選択・使用などの項目をクリックし、このサブスクリプションを現在の設定にします。「保存済み」と「使用中」は異なります。新しい設定をインポートしても、以前の設定が自動で切り替わるとは限りません。
まず利用できるか確認し、更新の問題はその後に対処する
画面に名前だけが表示され、プロキシグループがない場合は、インポート時のメッセージやログを確認してください。ダウンロードのタイムアウトは設定を取得できなかったことを示します。解析エラーは、ダウンロードした内容がクライアントの想定する形式と異なることを示します。ログイン画面の内容が表示された場合は、リンクの入手元を確認し直してください。これらをすべて接続先の不具合と決めつけて、すぐにソフトを再インストールする必要はありません。まず端末が通常どおりインターネットに接続できることを確認し、もう一度更新してください。
ローカル設定ファイルを入手した場合は、「ファイルをインポート」から該当する .yaml または .yml ファイルを選びます。ファイルのパスをサブスクリプションURL欄に貼り付けないでください。ローカルファイルは、リモートサブスクリプションを更新しても自動では変更されません。初回は入手元が明確な設定を1つだけ有効にしましょう。複数のサブスクリプションを頻繁に切り替えると、現在のルールがどの設定に由来するのか分かりにくくなります。
この手順の完了条件:設定がインポートされ、現在使用する設定として選択され、プロキシ画面にプロキシグループが表示されていること。この3点を確認したら、通信の処理方法を選びます。
02 ルールモードとプロキシ出口を選ぶ
「プロキシ」画面、またはホーム画面のモード設定を開くと、通常は「ルール」「グローバル」「ダイレクト」の3つが表示されます。モードは通信の処理方法を決めるもので、接続のオン・オフを切り替えるものではありません。初回は「ルール」を選びましょう。クライアントが設定内のルールに従って、リクエストを直接接続するか、プロキシグループ経由にするか、拒否するかを判断します。まずはサブスクリプションに含まれる通信振り分け設定をそのまま利用できます。
モードは「ルール」、出口はプロキシグループで選ぶ
ルールモードを選んだら、下に表示されるプロキシグループを確認します。プロキシグループは選択可能な出口のまとまりで、名前は設定の作成者によって異なります。「プロキシ選択」「デフォルトプロキシ」のほか、別の名前が付いていることもあります。設定の説明を参考にメイン出口のグループを探し、展開して利用可能な接続先を選んでください。名前だけで用途を判断しないようにしましょう。サービス別のグループは一部のサイトだけに使われ、設定全体のデフォルト出口ではない場合があります。
あるグループが別のグループを参照する場合もあります。たとえば、メイングループで「自動選択」を選ぶと、自動選択グループが設定内のテスト方針に基づいて出口を決めます。これは接続を何度も行うことではなく、選択肢の参照関係です。接続先を手動で指定する場合は、選択状態が意図した項目にあることを確認してください。自動選択を使う場合は、グループで利用可能な接続先が決まっていることを確認します。最終的な選択先が DIRECT の場合、その通信はリモートプロキシを経由せず直接接続されます。
クライアントに接続テスト機能があれば、候補の接続先をテストし、明らかにタイムアウトするものを除外できます。テスト結果が示すのは、その接続先からテスト用アドレスへの一時的な状態であり、実際の利用感を保証するものではありません。初期設定では通信経路を把握し、同じ条件で再確認できる状態にすることが大切です。わずかな数値差を何度も比較したり、すべてのサービス別グループを一度に変更したりする必要はありません。ほかのグループは既定のままにして、まずメイングループの出口だけを確認しましょう。
ルールはひとまず変更せず、比較できる状態を保つ
グローバルモードでは通常、コアに届いたリクエストをグローバルプロキシグループで処理します。この場合も、グループの出口を適切に選ぶ必要があります。また、すべてのアプリがプロキシ経由になるわけではありません。ダイレクトモードでは、コアに届いたリクエストが直接接続されるため、リモートプロキシの動作確認には使えません。モードはリクエストを受け取った後の処理方法を決め、システムプロキシやVPN接続はリクエストがコアに届くかどうかを決めます。この2つは別の設定です。
初期設定の段階でサブスクリプションのルールを削除したり、バックアップなしで設定ファイル全体を書き換えたりする必要はありません。サブスクリプションの更新で直接編集した内容が上書きされることがあり、ルールの順序によって適用結果も変わります。特定のサイトの通信経路を調整する場合は、まずこのページの確認を終え、現在適用されているルールを記録してください。そのうえで使い方ガイドを参照し、ルールによる振り分け、オーバーライド、プロキシグループの設定を確認します。変更前後を比較しやすくなります。
この手順の完了条件:モードが「ルール」になっており、メインのプロキシグループで想定した出口が選ばれていること。ここまでで通信方針の準備は完了です。次はアプリのリクエストをクライアントに渡します。
03 接続を有効にして通信をクライアントに送る
クライアントのホーム画面または設定画面に戻り、現在の設定が読み込まれていて、コアの起動エラーがないことを確認します。コアは接続とルールを実際に処理するコンポーネントです。ウィンドウが開いていても、正常に動作しているとは限りません。ポートの競合、設定の読み込み失敗、権限不足が表示されたら、通信の入口を有効にする前に解決してください。原因を切り分けやすくするため、初回のテストではほかのプロキシやVPNクライアントを終了し、システム設定を同時に変更しないようにします。
PCではシステムプロキシを有効にし、ブラウザーで確認
WindowsまたはmacOSのGUIクライアントで「システムプロキシ」のスイッチを探し、有効にします。システムプロキシに対応するアプリに対して、リクエストをPC上のプロキシ待ち受けポートへ送るよう通知する機能です。多くのブラウザーはこの設定に従うため、初回テストに適しています。ただし、独自のネットワーク設定を使い、自動では従わないソフトもあります。特定のアプリで変化がなくても、すぐに設定全体の失敗と判断しないでください。
Clash Verge Revでは混合ポートに 7897 がよく使われますが、実際の値はクライアントの設定で確認してください。ほかのクライアントでは異なる場合があります。混合ポートとは、同じローカルの待ち受け口でHTTPとSOCKSの両プロキシプロトコルに対応するものです。クライアント内蔵のシステムプロキシ機能を使う場合、通常はポートを手動で入力する必要はありません。手動のプロキシ設定が残っている場合は、システム上のアドレスとポートが古いクライアントを指していないか確認します。
ブラウザーに独自のプロキシ切り替え拡張機能がある場合は、システム設定を使うようにするか、テスト中だけ拡張機能を無効にしてください。初回設定では、システムプロキシ、TUN、複数のブラウザープロキシルールを同時に有効にしないことをおすすめします。通信の成否だけでは、どの経路が作用したのか判断しにくくなるためです。まず「ルールモード+システムプロキシ+1つのブラウザー」で動作を確認し、その後、必要に応じて対象アプリを増やしましょう。
スマホではVPN接続を許可し、接続状態を確認
AndroidまたはiOSのクライアントでホーム画面に戻り、「接続」または開始ボタンをタップします。初回はシステムからVPN設定の追加やVPN接続の許可を求められる場合があります。要求元のアプリを確認してから許可してください。端末のロック解除による確認を求められることもあります。許可後にクライアントへ戻り、「接続済み」または「実行中」と表示されていることを確認します。ここでいうVPNは、システムが通信をクライアントに渡すための仕組みです。設定内のすべてのリモート接続先が同じVPNプロトコルを使うという意味ではありません。
スマホのステータスバーにVPNマークが表示されても、システムの通信入口が確立したことしか分からず、リモート出口が利用できるとは限りません。別のVPNに接続中の場合は、先に切断してから現在のクライアントを起動してください。Androidではアプリのフィルタリング、アプリ別プロキシ、省電力制限によって対象範囲が変わることがあります。初回はクライアントの既定設定でテストし、動作確認後に必要な項目だけを調整しましょう。最初から除外項目を大量に追加するのは避けてください。
この手順の完了条件:PCではシステムプロキシが有効、またはスマホでは接続状態が確立し、クライアントでエラーが継続していないこと。クライアントを起動したまま、実際の通信を確認します。
04 通信、ルールの適用、出口を確認
ブラウザーを開き、まず設定上は直接接続される想定で、普段問題なく開けるサイトにアクセスします。基本のインターネット接続が正常であることを確認したら、設定上プロキシ経由になる想定のサイトにもアクセスしてください。たとえば、ルールでGitHubが明確に対象になっている場合は github.com を開きます。判断の基準は現在の設定ルールであり、サイト名そのものではありません。サブスクリプションにプロキシ経路が設定されていないサイトを、プロキシの動作確認だけに使うことはできません。
ページの表示と接続ログをあわせて確認
クライアントの「接続」画面を開き、ブラウザーでテストページを再読み込みして、直近の宛先ドメインや接続を探します。表示項目はクライアントによって多少異なりますが、宛先、適用ルール、使用したプロキシグループ、最終出口を確認してください。1つのページから画像、スクリプトなど複数のドメインへ通信するため、接続が1件だけとは限りません。まずメインページに対応するリクエストを特定し、DIRECT と想定したプロキシグループのどちらを通ったか確認します。
通信が想定どおりプロキシグループを経由し、ページも正常に読み込まれれば、アプリの入口からリモート出口までの主な経路が動作しています。ページが開いてもログが直通を示している場合、確認できたのはそのサイトに直接接続できることだけで、プロキシが有効とは限りません。反対に、接続一覧に新しいリクエストが表示されなくても、回線の故障とは限りません。ブラウザーのキャッシュで新しい接続が発生しなかったり、アプリがシステムプロキシを迂回したりすることがあります。新しいページを開いて再度確認してください。
出口のIPアドレスを確認する場合は、信頼できる公開IPアドレス確認サイトを利用し、接続を切ったときの結果と比較できます。ただし、ルールモードでは確認サイトへの通信自体が直通になる場合もあるため、そのリクエストに適用されたルールも確認してください。表示された地域名だけで判断しないようにしましょう。地域データベースには誤差があり、出口が変わったことだけではすべてのアプリが通信をクライアント経由にしているとは証明できません。使用中のアプリと対象サイトごとに確認してください。
問題がある場合は、4ステップを同じ順番で確認
アクセスできない場合は、まずサブスクリプション画面に戻り、現在の設定が有効で、更新に失敗していないことを確認します。次にプロキシ画面で、モードとメイングループの選択が変わっていないか確認してください。その後、システムプロキシまたはスマホの接続が有効な状態かを確認します。リクエストが接続ログに表示されているのにタイムアウトが続く場合は、利用実績のある別の接続先と比較します。変更は一度に1項目だけにして、同じサイトへ再アクセスしてください。複数の設定を続けて切り替えると、原因を判断しにくくなります。
ログにドメイン名の解決失敗が表示された場合は、DNSを確認します。接続拒否やローカルポートのエラーが表示された場合は、コアの動作状況と待ち受け設定を確認してください。サイトにログイン要求、アクセス制限、サービス側のエラーが表示されても、プロキシ経路の障害とは限りません。問い合わせる前に、クライアント名、OS、選択中のモード、エラー発生時刻、個人情報を伏せたエラーメッセージを記録してください。DNS、ポート、TUNの詳しい確認手順はClash使い方ガイドをご覧ください。このページでは、まず初回接続の確認を進めます。
確認が終わったら、現在使える設定を残し、メイングループの選択内容と接続方法を覚えておきましょう。普段は必要に応じてサブスクリプションを更新します。更新後にグループ名やルールが変わった場合は、現在の出口を確認し直してください。PCクライアントを終了する前にシステムプロキシをオフにすると、アプリが停止済みのローカルポートを参照し続けるのを防げます。スマホでは使わないときにクライアントから接続を切ってください。問題が起きたら、直前に変更した項目から確認すればよく、すべての手順をやり直す必要はありません。
初期設定が完了しました:直通の想定のサイトが開き、プロキシ経由の想定のサイトも読み込めて、接続ログにも対応する経路が表示されています。あとは実際に使うアプリに必要な設定だけを追加すれば十分です。「設定を完成させる」ために、すべてのスイッチを有効にする必要はありません。